からかい口調で言ってきた彼に顔が熱くなってしまう。――でも、私も今日はずと南さんと一緒にいたい。

繋いだ手をギュッと握りしめ、彼にぴったりと寄り添った。


「絶対離れないでくださいね? ……これからもずっと」

チラッと彼を見上げて言うと、なぜか南さんは盛大な溜息を漏らした。


「もうどうしてミャーはここで最高に可愛いことを言っちゃうかな? ……夜まで我慢できなくなる」

「我慢して下さい!」

すぐに突っ込んでしまうと、どちらからともなく笑ってしまった。


誰もが聞いたら南さんとの出会いから今日までのことは、シンデレラストーリーだって思うのかもしれない。

でも実際は違う。私は南颯馬さんっていうひとりの男性に、みんなと同じように恋をしただけ。

そしてこれから先もずっと恋していく。隣で愛しそうに私を見つめ、微笑んでいる彼に――。