一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

「あ~楽しみだな。あと数時間後には美弥のことを“ミャー”って呼ぶ彼と会えるなんて」

そうなのだ、今日のことを話したら是非南さんも参加したいと言い出し、来る予定になっている。

と言っても十九時着の便だと聞いたから、我が家に来るのは遅くなってしまうけど。


「これから色々聞かせてよ? 付き合いたての初々しい恋バナをさ」

「初々しい恋バナって。……それを言ったら私の方が聞かせてほしいな。海斗とのラブラブでいる秘訣を」

「なっ……! ラブラブってやめてよ!」


付き合って三年以上経つというのに、いまだに亜優は海斗とのことでからかうと、随分とウブな反応を見せる。

そこがまた亜優の魅力のひとつなのかもしれないけど。しかし……。


ついすれ違う通行人の視線が気になってしまう。

「相変わらず亜優と並んで歩くと、女子の視線が痛い」

「そう? 私は気にならないけど」

「亜優は慣れているからじゃないの?」