「なぁ、本当にいいのか? 南さんとこのまま別れちまっても。確かにまだ南さんのこと俺も許せない気持ちはある。……でもお前を想う気持ちは本物だろ? 美弥だってそうじゃん。いつも通りに振る舞っているけど、俺にはバレバレだから。お前の頭の中、南さんのことでいっぱいだって」


図星を突かれ、咄嗟に視線を落としてしまった。

そんな私の両肩を掴み、海斗は真剣な瞳を向けてきた。


「いいじゃん、好きならそれだけで。ふたりとも先のこと考えすぎ。未来のことんてわからねぇんだ。だったら今の気持ちを大切にしろよ」

「海斗……」


訴えてくる力強い瞳にたじろいてしまう。

だってそんなこと言われたって困るから。南さんがどんな思いで普段の私の様子を教えてくれって、海斗に頼んだのかわからない。


けれど今の気持ちだけを大切にして後悔しない? それに私だけが彼と一緒にいたいと願っても、向こうに拒否されてしまったらどうしようもないじゃない。もう傷つきたくないよ。

「ありがとう海斗」

私のためを思って話してくれて。