一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

「まさかこの世界に、ミャーそっくりな女性がいるとは、夢にも思わなかったから。なのに出会えた。これはもう運命だって思うだろ？」

「だろ？」って同意を求めたけれど、当たり前ながら頷けるわけがない。

嫌な予感は見事に的中してしまったようだ。

「あの……」

それでもやっぱり信じたくなくて、恐る恐る問いかけた。

「ん？　なに？」

甘い声で言われたって、もうときめいたりなんてできない。だって……！

「私とお見合いをしようと決めたのは、その……亡くなった愛犬と私がそっくりだったから……ですか？」


そんな理由で自分とお見合いをしたいと言い出したなんて思いたくない。

それだけの理由でプロポーズしてきたんだと信じたくないけど。

彼はにっこり微笑んだ。

「もちろん。またミャーに会えた気分だよ。あっ、そうだ。キミのこと“ミャー”って呼んでもいいかな？　名前も美弥だし」

「……っ！　いいわけありません!!」

カッとなり立ち上がり、大きな声で否定すると、彼は驚き私を見上げてきた。