「でも、真理愛にこんなことさせてしまったのも、すべて僕のせいだと思う」

そう言うと南さんはゆっくりと顔を上げ、苦しそうに表情を歪めた。


「小さい頃からずっと一緒にいたのに、真理愛が僕を想っていてくれたことに全然気づけなかった。泣きながら言われたよ、真理愛に好きだったって」

すれ違っていく車のライトが車内に届くたびに、南さんの瞳が揺れているように見える。

笹本さんのしたことは許せない。……けれど南さんを想う気持ちは本物だったんだと思う。


私に宣戦布告したのだって、それほど南さんのことが好きだったから。そして、あんなことをしてしまったのもきっと根本的な理由は、ただ彼のことを好きだからだと思う。


「昔からそうだった。人との付き合いが苦手で、相手の考えていることがうまく理解できず、怒らせてしまうことも度々あった。……大人になればそういうものがわかると思ったんだけどね。全然成長できていない。真理愛もそしてミャーのことも傷つけてしまった」