見た目からは想像できない本音に、なんて言ったらいいのか分からなくなる。

正直、偏見かもしれないけれど、女性関係は派手で慣れているんだろうなって思ってしまっていたから。

気まずくてカップから立ち昇る珈琲の湯気を眺めてしまっていると、彼は小さく息を漏らした。

「でもキミだけは違う。……初めてなんだ、可愛いって思ったのも、会いたい、話してみたい、ずっと一緒にいたいと思ったのも」

顔を上げると、真剣な瞳で私を見据える彼と視線がかち合った瞬間、胸がトクンと鳴ってしまった。

「だからプロポーズした。……僕と一緒になって欲しいから」

胸がギューって締めつけられて苦しい。

本当、なのかな。彼の話は。……本当に私と一緒になりたいって思ってくれているの?

普通に考えたらあり得ない話だ。彼のことなんてなにも知らないし、好きでもない。

でもまるで王子様のような彼に、ストレートな愛の言葉ばかり言われたら、誰だってドキドキしてしまうはず。