一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

お父さんはみんなを帰した後も仕事をしており、今日だってそう。もう二十三時になろうとしているのにまだ作業をしているのだから。


そんなお父さんの身体が心配でたまらない。無理して欲しくない。……でも頑張らないと納期に間に合わなくなり、迷惑をかけることになる。お金が入らないとみんなに給料も払えない。


だから私には止めることはできず、ただ少しでも栄養のあるものを用意して、サポートすることしか出来ずにいた。

南さんはメールでいつも私のことを聞いてくる。そのたびに話しを聞いて欲しい欲にかられていた。

メールだからこそいつも通りの文面を打ち込めるけれど、日曜日の夜には南さんが帰ってくる。

空港から直接会いにきてくれるって言っていたけれど、対峙しても尚、平静を装うことができるかな。


お父さんに会ったらなにかあったとすぐに気づけちゃうよね。だって毎日顔を合わせている私でさえ、お父さんの変化に気づけてしまうのだから。


でもお父さんは南さんには心配かけたくないって言っていた。そんなお父さんの気持ちも大切にしてあげたい。