彼の顔を見て気が緩んでしまい、涙が込み上げてくる。
「ごめっ……! 会えなかったの」
ポロポロと零れ落ちる涙。両手で拭いながら海斗に吐き出した。
「書かれていた住所のところに行ったらね、みんな急に引っ越したみたいで。……鈴木さんは夜逃げ同然だったって近所の人が言ってた。みんなお子さんもいたのにっ……!」
一軒一軒訪ねていくたびに、どうして? なぜ? ばかりが降り積もっていった。
「ねぇ海斗……やっぱり鈴木さんたちが犯人なのかな? だから急に辞めたりしたのかな?」
すがる想いで彼に問い掛けると、海斗も瞳を潤ませ苦しそうに唇を噛みしめた。
「アホ、俺だって信じたくねぇよ。……先輩たちがそんなことするなんて。今だって信じられずにいる。……突然辞めたなんて。無責任なことをするような人達じゃなかったから余計に」
悔しそうに拳をギュッと握りしめる姿に、彼もまた私と同じ気持ちなのだと痛感させられてしまう。
ううん、私や海斗だけじゃない。むしろ私たち以上に信じられない、信じたくないって思っているのはお父さんたちだ。
「ごめっ……! 会えなかったの」
ポロポロと零れ落ちる涙。両手で拭いながら海斗に吐き出した。
「書かれていた住所のところに行ったらね、みんな急に引っ越したみたいで。……鈴木さんは夜逃げ同然だったって近所の人が言ってた。みんなお子さんもいたのにっ……!」
一軒一軒訪ねていくたびに、どうして? なぜ? ばかりが降り積もっていった。
「ねぇ海斗……やっぱり鈴木さんたちが犯人なのかな? だから急に辞めたりしたのかな?」
すがる想いで彼に問い掛けると、海斗も瞳を潤ませ苦しそうに唇を噛みしめた。
「アホ、俺だって信じたくねぇよ。……先輩たちがそんなことするなんて。今だって信じられずにいる。……突然辞めたなんて。無責任なことをするような人達じゃなかったから余計に」
悔しそうに拳をギュッと握りしめる姿に、彼もまた私と同じ気持ちなのだと痛感させられてしまう。
ううん、私や海斗だけじゃない。むしろ私たち以上に信じられない、信じたくないって思っているのはお父さんたちだ。



