「うん。結婚しても、南の家には戻らないつもりなんだ。ミャーとふたりで暮らしたいと思っている。だからミャーには負担をかけてしまうかもしれないけど、家のことをしてもらいたいし、毎日ミャーが作った美味しいご飯を食べて過ごしたい。家に帰ったら出迎えて欲しいし、休日は一緒に過ごしたい。……いつか生まれてくる子供に、家族のぬくもりを教えてあげたいんだ。ミャーの家のような、居心地が良い場所だって」


「南さん……」

堪えていた涙が溢れ出してしまい、慌てて拭った。


「ミャーとそんな家庭を築いていきたいと思っている。……いいかな?」

小さく首を傾げて聞いてきた南さんに、私は何度も首を縦に振った。


すると南さんは目尻に皺を沢山作って微笑み、前屈みになって私の涙を拭ってくれた。