「ミャーと出会ったこの場所で、もう一度プロポーズしたかったから」

トクンと鳴る胸。南さんは表情を引き締め、真剣な眼差しを向けてきた。

「初めて会った日、ミャーにプロポーズしたこと、覚えている?」

「……はい」

忘れられるわけがない。出会った瞬間にプロポーズされてしまったのだから。


「僕の気持ちは、あの日から変わっていないよ。……ううん、むしろミャーを想う気持ちは強くなっている。ミャーともっと一緒にいたいって思う。この先の未来もずっとね」


先ほどジュエリーショップで購入し、ラッピングされた指輪の入った箱を取り出すと、そっと私に差し出してきた。


「好きだよ、ミャー。この先もずっとこの気持ちは変わらない。……世界で一番幸せにするから、僕と結婚してくれないかな?」

愛しそうに私を見つめ紡がれる愛の言葉に、視界がぼやけてしまう。

「……は、い。……はい」

涙を堪え返事をすると、南さんは嬉しそうに顔を綻ばせた。


「ありがとう。……あのね、ミャー。僕はミャーに今のままでいてほしいんだ」

「……え?」

今のままで?

鼻を啜り、首を傾げてしまうと南さんは口元を緩ませた。