一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

「予定が会ったら会ってほしいな。いいかな？」

「あ、はい」

会わないといけないよね。これからも先、南さんと一緒にいたいのなら尚更。

笹本さんと対峙する日のことを思うと緊張してしまうけれど……。

再び運転する南さんの横顔を見つめてしまう。


うん……彼が隣にいてくれるなら大丈夫。なんの取り柄もないし、不釣り合いかもしれないけれど、彼を想う気持ちだけは確かなものだから。

再び前を見据え、彼の運転する車に揺られていった。


「ミャー、着いたよ」

「ここ、ですか？」

あれから車を走らせること一時間。少しだけ渋滞にはまりながらも、たどり着いた先は都心部にある有名なジュエリーショップの本店。


隣にあるパーキングに車を停車させエンジンを切ると、先に降りた南さんが助手席のドアを開けてくれた。

「行こう、ミャー」


手を引かれるがまま初めて店内に足を踏み入れると、すぐにスーツ姿のスタッフが次々と頭を下げて迎え入れてくれた。

ショーケースには眩いジュエリーの数々。店内もまた豪華で目を見張ってしまう。