一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

『やっぱり。……実は今日、話したんだ。ミャーと結婚したいってことを。そうしたら『やっとか』って言われて、えらい乗り気になっちゃって。……まずは年内中には結納を済ませようって言い出してさ』

そうだったんだ。


『そのことも含めて話したいなって思っているんだ。急なんだけど明後日、空いているかな?』

「明後日、ですか?」

『うん。明後日午後からになっちゃうんだけど、ミャー空いているかな?』

明後日は土曜日。仕事は普通に休みで特に予定もない。


「はい、空いています」

『よかった。じゃあ明後日、そうだな……十五時に迎えに行くね』

「わかりました」

なんか不思議な感じ。南さんと知り合ってから今まで、電話で話したことはあまりなかったから。

いつも聞いていたはずの彼の声が、電話越しだとまた違った声色に聞こえてしまい、妙にドキドキする。

ベッドに腰掛けたまま、変に緊張してしまい身体を強張らせてしまう。