「お父さん、付近でテーブル拭いておいてくれる?」
「あぁ、わかったよ」
この日の夜、いつものようにお父さんとふたりで夕食を済ませ、テーブルを拭くのをお願いし、台所で使った食器を洗っていく。
洗い物が終わったら、取りこんだままの洗濯物を畳まないと。
そんなことを考えながら洗っていると、電話のベルが鳴り響いた。
「あれ、誰だろう」
すぐに蛇口をしめ手を拭くと、お父さんが居間から「父さんが出るから」と言い、電話に出てくれた。
再び水を出し、洗剤のついた食器を洗い流していこうとしたとき、居間の方からお父さんのびっくりするような大きな声が聞こえてきた。
「こっ、これは南さん……! お忙しい中、お電話ありがとうございます!!」
え、南さん?
電話がある居間へ向かうとお父さんは、コードレス電話機を耳に当て、さも目の前に相手がいるかのようにきっちり九十度頭を下げていた。
「はい、そんなこちらこそこの前はありがとうございました。……はい、えぇ」
どうやら相手は南さんのお父さん、ミナミグループの会長のようだ。
「あぁ、わかったよ」
この日の夜、いつものようにお父さんとふたりで夕食を済ませ、テーブルを拭くのをお願いし、台所で使った食器を洗っていく。
洗い物が終わったら、取りこんだままの洗濯物を畳まないと。
そんなことを考えながら洗っていると、電話のベルが鳴り響いた。
「あれ、誰だろう」
すぐに蛇口をしめ手を拭くと、お父さんが居間から「父さんが出るから」と言い、電話に出てくれた。
再び水を出し、洗剤のついた食器を洗い流していこうとしたとき、居間の方からお父さんのびっくりするような大きな声が聞こえてきた。
「こっ、これは南さん……! お忙しい中、お電話ありがとうございます!!」
え、南さん?
電話がある居間へ向かうとお父さんは、コードレス電話機を耳に当て、さも目の前に相手がいるかのようにきっちり九十度頭を下げていた。
「はい、そんなこちらこそこの前はありがとうございました。……はい、えぇ」
どうやら相手は南さんのお父さん、ミナミグループの会長のようだ。



