すると南さんは少しだけ離れ私の顔を覗き込んできた。

「ねぇ、ミャー。今度僕の休みの日、指輪を買いに行こうか」

「え、指輪……ですか?」

オウム返ししてしまうと南さんは微笑み、私の左手薬指に触れた。

「そう。ここにミャーは僕のものだってしるしをつけとかないと、不安で仕方ないから」

恥ずかしいセリフに唇をギュッと噛みしめてしまうと、彼は触れるだけのキスを落とした。

そして再び私の身体を抱き寄せた。


「ミャーも僕を好きになってくれたならもう遠慮しないよ。全力で早くミャーも僕のものにするから。だから覚悟しておいてね」

なんて甘くて嬉しい言葉だろうか。幸せすぎて罰があるんじゃないかって不安になるほど。

「じゃあ覚悟しておきます」


同じように冗談交じりで返すと南さんはクスリと笑った後、再びキスを落としてきた。甘くて蕩けてしまうんじゃないかってほどのキスを――。