「眠くない? 身体は平気?」

「……はい」

どうにか返事をするものの、胸は高鳴ったまま。

「ミャー、こっち向いて。……顔、見せて」


絶対今の私の顔は真っ赤に違いない。けれど抗うことはできず、言われるがまま南さんの方へ身体の向きを変えると、愛しそうに私を見つめる彼と目が合うと、途端に彼は顔をクシャッとさせた。


たったそれだけで幸せな気持ちで溢れ出してしまう。

「いいね、朝起きたら一番にミャーにおはようって言えるの。幸せを感じる」

そう言うと南さんは優しく私の身体を抱き寄せた。

彼のぬくもりを感じながら私もまた幸せに浸っていると、頭上からは盛大な溜息が聞こえてきた。


「どうしよう、ミャー。こんなに会社に行きたくないって思ったの、生まれて初めてなんだけど」

「え?」

「ずっとミャーとこうしていたい」

南さん……。

やだな、そんなこと言われちゃったら私も帰りたくなくなっちゃうじゃない。

堪らず彼の胸元に頬を寄せた。