「もっと南さんと一緒にいたいです。今日は帰りたくない」

すると南さんは目を丸くさせた。

どうしよう、言ってしまった。言ってしまったけど、恥ずかしいだけで後悔はしていない。

南さんと一緒にいたい気持ちに嘘はないから。

それでもなにも言わない南さんに、恥ずかしさが増してしまい、彼の腕を掴む手の力が強まってしまう。

どれくらいの時間が経っただろうか。きっとたった数秒間だったはず。けれど私には異様に長く感じてしまった。

そして静かな室内。彼は確認するように聞いてきた。

「ねぇ、ミャー……。自分で言った言葉の意味、ちゃんとわかっている?」

自分で言った言葉の意味。そんなのわかっている。

「わかっています」

真っ直ぐ彼を見つめたまま答えると、南さんは苦しそうに顔を歪めた。

「いいの? ミャーのこと、好きにしちゃっても」


最終確認するかのように、私の真意を探るように問いかけてきた南さんに、「はい」と返事する代わりに自分から彼に抱き着いた。