「ミャーも同じ気持ちでいてくれているなら余計に、しっかりケジメつけないとね。水谷さんの信用失っちゃったら嫌だし」

「南さん……」

そんなことないのに。お父さんは南さんのこと、信用しているよ。

大切にしてくれているって自惚れてもいいんだよね? すごく嬉しい。……嬉しいけど。

「送るからちょっと待ってて」


車のキーを取りに行こうとした彼の腕を、咄嗟に掴んでしまった。

「……ミャー?」

当然南さんはびっくりし、私を凝視してくる。

けれど一番びっくりしているのは私だ。

「あのっ……」


言葉が続かない。もっと一緒にいたいって。南さんが私のことを想ってくれているのがわかるからこそ。わかっていても、一緒にいたい気持ちの方が大きい。もっと南さんに触れて欲しいとさえ、望んでしまっている。


「……帰りたくないです」

「え」

声が震えてしまい、南さんはうまく聞き取れなかった様子。

そんな彼をまっすぐ見つめ、正直な気持ちを伝えた。