一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

高層すぎて、最上階は離れて思いっきりのけ反らないと見えないんですけど。


見た目からして、かなりお高めの物件に違いない。なによりこの辺一帯は、よくテレビでも特集されているほど、セレブが住む地域だから。


都会の一等地なのに、マンションの前には緑が生い茂っている小さな公園がある。反対側には商業施設もあるし、私では一生住めない場所だろうな。


心を弾ませて来たはずなのに、彼の住む家を目の当たりにすると気持ちは一気に沈んでいく。

南さんとの身分の違いを痛感させられてしまったから。

けれどこればかりは仕方ない! 最初から南さんとは住む世界が違う人だってわかっていたことだし。


自分に言い聞かせ、エコバック片手にいざマンションのエントランスへと向かっていく。

しかし私、こんなエコバッグ片手にマンションに入るとか、場違い感ハンパないないな。

近づくたびに見えてくるエントランス内の様子。


なんとなくエコバッグを後ろで抱えて持つ形になってしまい、それでもなんとか足を進めてエントランスに足を踏み入れると、そこはまるで別世界だった。