一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

「美弥さ、ずっと南さんのことばかり言っていたけど、肝心な美弥の気持ちは? 南さんの気持ちがどうのこうのの前に、大事なのは今のお前の気持ちじゃねぇの?」


私の気持ち……? それは……。

なにも言い返せない。

そうだよね、私……南さんのことばかりで、自分の気持ちを一切海斗に話していない。


「南さんが美弥のことをどう思っているのかも気になるけどさ、その前に俺は美弥の気持ちが気になるんだけど。お前がどう思っているのか話してくれないと、俺も応援しようがねぇじゃん?」


「な?」と訴えかけてくる海斗に、心が大きく揺れてしまった。

それを感じ取ったように海斗は微笑むと、私が手にしていたポットを奪っていった。

「あっ……」と思わず声を上げてしまうけれど、海斗は手にしたまま私に背を向けた。

「いいじゃん、最悪振られたって。大切なのは美弥の今の気持ちだと思うぞ」

「海斗……」

顔だけ振り返り、ニッコリ微笑む彼。