一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

ぶっきらぼうにお礼を言うと、海斗はなぜか私の頭を優しく撫で始めた。

「え、ちょっと急になに?」

それも現在進行形。

「んー、いや無性に美弥の頭を撫でたくなってさ」

「なによそれ」

けれど海斗の手があまりに優しく撫でるものだから、嫌な気分にはならない。

心地よいっていうか、安心するっていうか……。

されるがまま撫でられ続けていると、海斗はポツリポツリと話し出した。


「事情はわかったよ。……美弥が今、なにに悩んでいるのかも」

「……うん」

「南さんのこともわかった。どうして美弥と見合いしたのかも」


笑いをこらえながら話す海斗を睨むと、彼はもう片方の手で口元を押さえていた。

けれど視線がかち合うと、わざとらしく喉を鳴らし話を続けた。

「そこまではわかったけど、ひとつだけ理解できないことがあるんだよな」

「――え?」


優しく撫でていた手は離れていき、海斗は私と目線を合わせるように屈んだ。

そして探るような目を向けてきた。