付き合っている? 私と南さんが!?

びっくりしすぎて大きな声を出してしまうと、お父さんは不思議そうに目をパチクリさせた。


「えって……付き合っているからその……あぁいうことをしていたんだろ?」

うっ……! それを言われてしまうと胸が痛い。


お父さんの言う通り、付き合っていなければ普通あんなことしない。しないのに、どうして私、あんなことしちゃったんだろう。


いや、あれは南さんがあまりに愛しそうに私を見つめてきて、妙に色っぽい顔と声で迫ってきたからであって……。

思い出してしまうのは、あの日の艶っぽい南さんの表情や息遣い。

二週間近く経っているというのに、今でも鮮明に思い出せてしまう。


ひとりあたふたしながら顔を熱くさせていると、伝染したかのように、お父さんも照れ臭そうに頭を掻いた。


「父さん別に反対しないから安心しろ。むしろ颯馬さんと美弥がうまくいってくれたら嬉しいよ。……一緒に夕食を共にするようになって、颯馬さんがどんな人か知れたからこそ余計にな」

「お父さん……」