一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

咄嗟に叫ぶように言ってしまった。

だって南さんが、とことん勘違いしているから。……けれど、言ったあとすぐに後悔してしまう。

「……え」

当然聞かされた南さんは、目をパチクリさせた。

真実を言ったまでだけど、すぐに居たたまれない気持ちになる。


どうしよう、私ってばなにバカ正直に本音をぶちまけちゃったのよ。

目の前に穴があったら、すっぽり入りたい。

身体中の熱が顔に集中していき、慌てて視線を落とした。


後悔の渦に巻き込まれていく中、南さんは唖然としたまま私の腕を掴む力を弱めていく。

その隙に手を引っ込めた。

「えっと、すみませんご飯の準備をしてきます」


逃げるが勝ちと言わんばかりに踵を返し玄関へ一直線。けれど、ワンテンポ遅れて南さんが後を追い掛けてきた。

「ミャー、待って!」

いいえ、待ちません!!


聞こえていないフリを決め込んで、玄関のドアノブに手を掛けたとき、後ろから追い掛けてきた南さんに抱きしめられてしまった。