一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

最初は緊張ばかりで、ドキドキさせられて翻弄されまくりで。……なのに初めてふたりで出かけた時、意外な彼の一面に触れることができて。


あの日から頻繁に家に来るようになって、一緒に過ごす時間は増えていった。


その中でまた彼のことをする機会が増えて……。そういえば私、いつからか南さんと一緒に過ごしても、あまり緊張しなくなったよね。


こっちが照れてしまうことばかり言われるけれど、いつも私が作った料理を美味しいって言って食べてくれて。

それが嬉しかった。


それに私、南さんが大好きだって言うから、いつもたまごは切らさないようにしようって思ってて……。

だから毎週たまごを安く売る火曜日のタイムサービスは、欠かせなかった。


やだ、なにこれ。私の中で南さんって、ちょっと特別な存在になりつつあるの?

どうでもいい人のために、料理の材料揃えたりする? 美味しいって言われて嬉しいって思ったりする?