一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

荷物を持ってくれていた南さんは、袋をキッチンへ運んでくれた後、海斗がいる居間へと向かっていく。

ふたりっきりにさせたら、また言い争いになってしまいそうだ。

慌ててキッチンへ向かい、買ったものを冷蔵庫にしまってすぐお茶を淹れ、私も居間へと向かった。


「は? こいつ……じゃなかった、この人があのミナミ自動車の跡取り息子?」


あれからお茶を淹れ、まずは海斗に南さんのことを紹介すると、彼は信じられないようで、南さんを指差し私に尋ねてきた。

「ちょっと海斗」

南さんを指差さないでほしい。


けれど海斗は私から話を聞いても、いまだに信じられないようで、今度は南さんをまじまじと眺め出した。

「え……本当に? つーかそんな人がどうして美弥と見合いなんてしたんすか?」


突然敬語になった海斗。そして最もな質問を南さんにぶつけた。

すると南さんは顔をしかめ、いつもの調子で話し出した。