「何かあったの?もしかして、彼氏が原因?」
優しくて柔らかいその声色は低くて刺々しい佑介の声とは180度違う。
佑介とはもう別れたし…話しても大丈夫だよね?
そう決意して話そうと口を開いた瞬間、ぐいっと体が誰かの手によって引き寄せられてあっという間にレモンスカッシュの香りのする腕の中に収まった。
この匂いは……
「ゆ、佑介…?」
なんでこんなところにいるの?
ていうか、なんでこんなことするの?
「俺の女に手ぇ出さないでくれる?」
恐ろしいほど、低い声でそう言い放ち殺気をプンプンと漂わせて思い切り佐藤くんを睨みつける。
こ、こわっ……
でも、こんなときに不謹慎だけどドキドキしている私の鼓動。
俺の女に…って絶対そんなこと思ってないくせに。
というか、もう私たちはついさっき終わった関係じゃん。



