帰り道、友達と別れてから誠也に返信することにした。

[あたしも行きたいから、明日学校で聞いてみるわ]

[友達二人も行きたいって!]

[どんな実験あんの?]


数分後、そのまま家の最寄り駅を降りると、スマホを見ている見なれた男子がいる。誠也だ。

ピコン♪ 誠也からの返信がきた。

[おう!]

[実験、沢山あるから明日プリント貰ってみたほうがいいな。]

[俺は薬学のと有機化学のと迷ってんだけどー]


誠也はうつむいていて目の前にいる私に気づいていない。

[目の前]と打って送信する。

ぼーっと前をみた所で、電話発信を入れる。

「…うわぁぁぁっ!」

驚いてスマホを落としそうになっている誠也のもとに、大爆笑しながら近づいた。