ちゃんと登録されたことを確認していると、メッセージが来たことを示す短い着信音が鳴った。画面には

[神山 結人][よろしく、ひかりさん]

と表示されている。

「どう?ちゃんと送れてる?」

『うん!大丈夫だよ!』

彼とやり取りが出来るようになったのが嬉しくて、私も試しにメッセージを送った。

[こちらこそよろしくね!結人くん!]

送信を押して一呼吸おき、今度は結人くんのスマホに着信音がなった。

彼はそれを確認してふわり、とはにかみ、OKだな、と言ってスマホをポケットにしまった。


「…ていうか、アドレス昨日聞くべきだったよな、突然待ち合わせとかしちゃってなんかごめん。」

私は自然体が過ぎる彼の予想外の反応の連発に耐えきれず、ますます面白くなってしまい、笑いが込み上げてくる。

『いや、それ…フフッ…今更言う?てか…急に待ち合わせされてちゃんと行くの私位だと…ククッ』


段々と、アドレスも知らないのに急な待ち合わせに応え、ちゃんと会えて今更連絡先や名前を知るという、自分自身にも面白くなってしまった。

彼は気まずそうな表情で下のほうを向いた。

「てか、待ってるときさ、あんな約束じゃ来ないかも、って思って、落ち着かなくて…」


そして、頭をくしゃくしゃしながら彼は話を続ける。



「変な位置にずっといたわ、」

『…それが、あのパネルの…裏?…フッ…あはははは!』


私は腹筋が筋肉痛になりそう、というほど暫く笑いが止まらなくなった。