駅につく手前で誠也と別れ、ミキ、マリコとアイス屋に向かう。

いつものベリーヨーグルトアイスを買い、小さな椅子に座ると同時にマリコが口を開いた。

「…で、例の男子の話の続きを聞こうか。」

「聞こうかー!」

ミキも興味津々だ。

『えっと、実験で一緒で、なんか突然アホみたいに話しかけてきたんだよね』

「おい、アホみたいってwどういうことなのw」


私は瞳を輝かせている彼を思い浮かべた。

『なんていうか…凄く無邪気で…ピュアっぽくて…なんかこう…あぁ、語彙力欲しい…』


彼のキラキラしつつも不思議な雰囲気をどう表現すればいいのかわからない。
ただ、嫌とかマイナスなイメージは一切なく、むしろそこが魅力で、もっと知りたいと思う。
…二人には言わないけど。


「ひかりん、人見知り系なのに、なんか緊張感全然なかったっていうかー、お似合いだよね!」

ミキの発言に、マリコがうんうん、と頷いた。
なんでこうも、茶化すんだ…と思いつつ、ふと、緊張感全然なかった、という言葉が妙に引っ掛かっていた。

「ところで、どこの学校の人なの?あと連絡先は?」

『へ?知らない』

マリコの質問によって二人の盛り上がり具合が一気に下降していく。

ただ、その盛り上がりが再び急上昇するであろう、とっておきのネタが私にはある。

これを二人に話すことで、口約束を果たすかどうかの迷いが消えるのだと確信していた。