不調を良輔に隠しながら、なんとか大学へたどり着いた。

いつもは歩いて10分くらいで着くのに、今日は20分もかかった。

良輔はいつもより口数が少なくて、歩くのが遅い俺のことは 何も触れてこなかった。

3限目。俺は履修の関係で今日は3限で帰れる日だ。

帰り際、良輔が友達と一緒に笑いあってる姿が見えた。

よかった、大丈夫そうだな。

おし、気合い入れて病院行ってくるか!

______病院は、ヨボヨボのじいさんがやってる個人病院だ。

俺、でかい病院ニガテ。薬の匂いするし、なんか病人感が増す気がする。

だから大学入ってからはこの「立花医院」に行くんだ。

大学から歩き始めて15分。もうちょっとであのじいさんのところに着く。

頭がガンガン、ズキズキ。

キューーーっと誰かに締め付けられてるような、こめかみをグリグリされてるような。

そんな痛み。

うーー。いてぇ。辿り着けんのか?俺。

いや、頑張れ俺。良輔にバレる前に処理しよう。自分のことは自分でやるって、あの時決めたもんな。

そんなことを思いながら再び歩き始めた。