何が起こっているのか、わからない。

17時14分。

オレンジ色の夕日が差し込む教室には、2人だけ。

3年2組の書きかけの日誌を机に置いたまま前を向いてる私、藤原麻衣子。

黒板が見えるはずの目の前には、男の子。

顔と顔の間、わずか、5cmあるかないか。

……これは、もしかして、キスというもの?

目の前にあった顔は、5cmから急速に遠のいた。