一方武彦はというと、

一段とゲームにのめり込んでしまっていた。


この頃の武彦は、

ゲームをしている時間だけが唯一安らげる時間であり、

自分自身を出せる時間であった。


彼は仮想の空間といえども自らの意思により行動出来ると言う事からゲーム無しではいられなくなり、

ますますゲームに依存してしまっている。


彼にとってゲームとは、

一種のドラッグのような存在になってしまっていた。
 

次第に武彦はゲームの中に意識が引き込まれる感覚に襲われる様になってしまう。


ある日、いつもの様にゲームを楽しんでいた武彦は、

ふと気付くと自らが作り上げた、

『ゲーム』

という仮想空間の中に佇んでいた。


だがこの時点で、

武彦は自分が一体何処に迷い込んでしまったのか気付いていなかった。


辺りを見渡すと建物などは全て崩れており、

一面瓦礫で覆われている。


訳が分からず立ちつくす武彦のもとに六人の人物が現れ、

その中の一人が武彦に話しかける。