武彦はその後も一人でゲームセンターに通い詰めるようになってしまい、
ついには塾に行く振りをしてゲームセンターで遊ぶ様になってしまった。
普通の人ならここまでのめり込むことはないのだろうが、
この頃の彼の心理状態はコミュニケーション不足による孤立感、
成績の急激な落ち込みと母親の異常なほどの期待による重圧、
それらがストレスとなり積み重なっていた。
特にコミュニケーションに関しては、
数年前から両親との間でもほとんど挨拶をする以外は会話が無く、
武彦は家にいる時間の大半を自分の部屋で過ごしている。
次第に武彦はゲームセンターだけでは飽きたらず、
自らのパソコンにダウンロードしオンラインによるゲームを楽しんでいた。
この頃にはロールプレイングゲームも楽しむ様になっており、
頭の良い彼は自らもゲームを作り楽しむ様になっていた。
彼の好みはシューティングゲームである為、
彼の作るゲーム全てがそれであった。
更には数種類あるゲームの主要なキャラクターすべてに自ら名前を付けて楽しむようになっていた。
だがキャラクターの名前にこだわりはなく、
雑誌などに載っている人物の名前を使うなどしていた。



