シグナル


「武彦!本当に彼方がやったの?

何かの間違いよね!」

「ママごめんなさい…

本当はこんな事するつもりじゃなかったんだ、

でも気付いたらこれを持って外に出てて…」

「もう良いわ!」

すると美智代は店の店長に訪ねた。

「あの…これおいくらですか?

お支払いします」

「何を言ってるんですか、

そう言う問題じゃないんですよ!

そんなことは良いですから今後この様な事が無い様お宅できちんと言い聞かせてください!

何れにしろ今回が初めてな様ですから電話でも言った通り警察には通報しません、

ですから今日のところはもう帰っても構いませんが、

ただし今後二度とこの様な事がないようにしてくださいね」

「分かりました、

どうもご迷惑かけて済みませんでした」

取り敢えず形だけ謝っておいた美智代であったが、

その後武彦と共に帰宅した美智代は、

我が子を問い詰めることはしなかった。


何故なら武彦が万引きをした事について未だ信じる事が出来ないでいた為である。