「保安員が商品を手に取り衣服の内側に隠した後、
店外に出て行くお子さんを見ているので間違い無いんですがねぇ…
ですが調べたところ今回が初めてな様なので、
出来る事なら今回は警察には知らせないでおこうと思ったんですが、
身元引受人であるお母さんがそんなでは警察の方に来てもらうほかありませんね」
「ちょっと待ってください!
それだけはやめてもらえませんか?
お願いします!」
「でしたら店まで来てもらえませんか?」
「分かりました…
分かりましたから警察に通報する事だけは勘弁して下さい」
「そうですか、
来ていただけますか…
分かりました、
ではお待ちしています」
その後スーパーに着いた美智代の前には、
紛れもなく武彦本人がおり、
美智代の期待にも似た思いは儚くも崩れ去ってしまった。



