シグナル


だがそれに対し美智代は、

『今更何を言ってるの?』

と言わんばかりの表情で応えた。

「当然じゃないですか!

これ以上レベルの低い子達と一緒に勉強しても、

時間が無駄になるだけです!

だいいちあの子はどうせ学校に行っても、

とっくに終わっている勉強の復習をする事しか出来ないんですよ!

それなのにあなた方は、

あの子が自分の勉強をしているのを見ると、

ほかの子と同じ勉強をする様、

強制するそうじゃないですか」

この言葉に苛立ちを通り越し、

呆れてしまった岡嶋は激しく反論する。


「それは違いますよお母さん、

確かに武彦君は他の子よりも勉強が出来るかもしれません、

でも学校と言うのは勉強だけを教える場所ではありません!

もちろん勉強も教えますが、

他にも社会生活におけるルールや礼儀など、

様々な事を教える場でもあります!

それと、先程お母さんは復習する事が無駄だと言いましたが、

復習する事も大切な勉強ですよ」

ところが美智代の口からは、

とんでもない言葉が帰ってきた。