シグナル


「じゃあどうして学校に来なくなってしまったの?」

「どうしてって…

どうせ学校なんか行っても無駄だから」

「分からないな、

学校に行くのがどうして無駄なの?

無駄なんかじゃないじゃない」

再び武田が尋ねたところで、

美智代が会話に割り込んで来た。


「学校に通うのが無駄じゃないって、

どうしてそう言い切れるんですか?」

その美智代の言葉を聞いた武田は、

『最近の親はみんなこうなのか?』

と驚いてしまった。


それと同時に、

この時同席していた美智代は、

『早く帰ってくれないかしら』

と思っており、

更には武彦の勉強の邪魔をしないで欲しいとさえ思っていた。