シグナル


「こんにちは武彦君、

突然押し掛けてごめんね」

その声に武彦は《ムスッ》とした表情で応えた。


「謝るなら始めから来ないでよ!

そんな事より何しに来たの?」

「話というのはな、

武彦君このところずっと学校に来てないだろ…

お願いだから学校に来てくれないかな?」

その言葉に武彦が答える、

「嫌だ!」と一言だけ。

それを聞いた岡嶋がもう一度問いかける。

「どうして学校に来てくれないの、

学校が嫌いになった?」

だがその問い掛けに応えた武彦の口からは、

岡嶋が思っていた事とは別の答えが返ってきた。


「別に学校が嫌いになった訳じゃないよ」

この応えに今度は武田が尋ねる。