「静かにしなさい、
ここは病院だぞ!
とにかく処置が終わるのを待とう…
それより高橋先生、
武彦はそれ程高い所から落ちた訳ではないんですよね!」
「はい…確かにそうですが…」
「なら大丈夫、必ず助かる!」
この必ず助かるという武雄の言葉は、
自分に言い聞かせるものであり、
決して楽観視した言葉ではなかった。
ところがこの直後、
高橋が不安な一言を口にする。
「しかし落ちた所が固い地面でして…」
高橋のこの一言にも、
武雄は表面上楽観的な発言をしていたが、
実はとても心配で仕方がなかった。
「大丈夫、絶対大丈夫だ!」
その直後武彦の処置が終わり、
手術室から出てきた。



