「まだ何か?

すぐに向かいたいんですけど」

「携帯電話の番号を教えてもらえませんか?

ついさっき救急車を呼んだばかりなので、

まだ到着していません…

この後どの病院に搬送されるか分からないので、

分かり次第連絡します!」

「分かりました…」

そう一言言い、

すぐに携帯番号を伝える武雄。


番号を伝え終えた武雄は、

すぐに美智代を連れ、

武彦の元へ向かおうとしたが、

傍らで座り込み、

泣きじゃくっていた美智代は、

その後放心状態となってしまっており、

その場を動く事が出来ずにいた。


「何してる!武彦のところへ行くぞ!」


そんな武雄の声にもかかわらず、

美智代は未だ立つ事が出来ずにいる。


「何してる、早くしろ!早く立つんだ!」

武雄は美智代の手を持って引き上げ、

強引に立たせると、

そのまま美智代の手を引き、

家から連れ出し武彦の元へ向かった。