「もしもし、電話替わりました」
「お父さんですか?
あゆみの学園の伊藤です!」
「武彦がお世話になってます!
ところでなんかあったんでしょうか?」
「今すぐ来て下さい、
武彦君が屋根から飛び降りて大変なんです!」
「どう言う事ですか!」
「私にも分かりません…」
「分からないじゃないでしょ!
どうしてそんな事になったか聞いてるんです!」
「申し訳ありません、
私達に落ち度があったかもしれません…
とにかくすぐに来て下さい!」
「そうですね!すぐに行きます!」
武彦の元へ向かうため、
電話を切ろうとした武雄であったが、
直前に伊藤が、
慌てる様に話しかけてきた。
「待ってください!」
その声に気付いた武雄は、
一度耳元から放した受話器を再び戻した。



