『僕はなんて取り返しのつかない事をしてしまったんだ!
こんな事をしてしまって、
この先どう生きて行けばいいんだ?
この先僕は世間から冷たい視線に晒されながら生きて行かなくてはいけないんだろうな?
そんなのいやだ!
そんなの耐え切れないよ…』
そう考えてしまった武彦は目に涙を浮かべ、
そして最悪の事を考えてしまった。
『そうか、もしかしたらそんな事に耐えながら辛い日々を送るよりも、
いっその事死んでしまったほうが楽なのかもしれないな?
それならほんの一瞬勇気を振り絞ればそれですべて終わりだ!
そうしよう…
これですべて楽になれるんだ!』
夜、同室の皆が寝静まった後、
そっと部屋を抜け出した武彦は、
施設の屋根へとよじり登ると、
そのまま屋根の上に座り、
それまでの事を色々と思い出していた。
そして一頻り思い出に浸った後、
最後にもう一つだけ思い出した事があった。
それは今日二月十九日は、
十三歳の誕生日であったと言うことを。



