シグナル


「そうかもな!

お前達は未熟だったかもしれない…

でも気付いたじゃないか!

それだけでも成長したと思うぞ!

いいか良く聞け…

教育のプロは学校に行けば沢山いる、

でもな…

子育てのプロは世界中どこを探してもいないんだ!

子供と共に親も成長していかなければ駄目なんだよ!

こんな言い方をしたら、

被害者の方々には申し訳ないが、

これを期に絆を深めていけば良いじゃないか!

とにかくもう暫く時間をくれないか?

今被害者側の弁護団と交渉しているところだ!

もちろん民事訴訟に発展している訳だから、

最終決定は裁判所が下す訳だが、

出来る限り請求額を下げられる様努力する!」

「お前がそう言うならもう少し待ってみるよ…」

その頃児童自立支援施設である、

【あゆみの学園】へと入所し、

自分のしてしまった事に、

完全に気付いてしまっていた武彦は、

ひたすら自らを責め続けていた。