シグナル


その後約二ヶ月間にわたり、

鑑定の為の様々な診断や調査などが行われ、

一つの結論に至った。


この結果をもとに、

第二回少年審判の実施が決定され、

小嶺医師も証人として出廷する事になった。


その席上で小嶺は、

武彦について医師として自らの見解を述べる事となった。


本人確認などが行われた後、

判事が小嶺医師に指示を出す。


「ではまず小嶺医師による鑑定結果をお願いします!」

判事の指示により証言台に立つと、

鑑定結果を述べる小嶺。


「これから私が話す事は、

にわかに信じがたい事です!

私も当初は信じる事が出来なかったほどですから、

その為催眠療法も行いました。

催眠状態では嘘をつく事など不可能ですから、

したがって現実に起こった事として、

聴いていただきたいのですが…」

「分かりました。

ですがあくまでもひとつの判断材料として聞いておきます!」

判事のこの言葉を聞き終えた小嶺は、

一本のビデオテープを取り出した。


「ではまず初めに、

この映像を見ていただきたいのですが…」

「何ですか?それは…」

判事が尋ねると、

その問いかけに答える小嶺。


その間係官が映像を見るためのセッティングを行っている。