その為小嶺は、
この父親が息子の事をどこまで知っているのか聞いてみる事にした。
「では簡単な質問に行きます…
武彦君の生年月日は分かりますか?」
「いいえ、
九月生まれと言う事は何となく分かりますが、
九月の何日かと言うと、
何時だったか直ぐには思い出せません…」
「自分の子供の誕生日ですよ!
分かりませんか?」
「では武彦君が受験勉強の為に毎日塾通いし、
夜遅くまで勉強していたと言う事は?」
「塾に通っていたことは知っていましたが、
毎日遅くまで勉強していたことは知りませんでした…」
「お父さんから武彦君に何か送ったことは?
たとえば誕生日プレゼントとか…」
「ありません!
妻があげているみたいなので良いだろうと思って…」
「でしたら家族で何処かに行楽に行く事は?
買い物でも構いません!」
「そんな事は一切ありません!」
「あなた一体武彦君の何を知ってるんですか?
家族サービスまでも怠って、
それでも武彦君の父親ですか?」



