「本当にそうでしょうか?
私にはそうは思えませんけど…
いいですか、
完璧な人間なんて、
世界中何処を探してもいないですし、
育てようとして生まれるもでもありません!
長所や短所を持ち合わせているからこそ人間ではないんですか?
私にだって長所もあれば短所もあります!
お母さんだってそのはずです!
武彦君もそうではないですか?
たとえば勉強にしても、
得意な科目もあれば、
苦手な科目もあるはずです!
それは普段の生活に於いても同様であり、
物事を考える際の頭の回転は速くても、
人と接する事が苦手だったりします!
私達は完璧にプログラムされたロボットではありません。
血の通った人間です!
喜怒哀楽を感じる時もあれば、
ストレスを感じる時もあるんですよ!
お母さん、
彼方はお子さんを感情の無い子に育ててしまったんではないですか?
これは最近聞いた話ですが、
勉強や良い子を演じる事にストレスを感じ、
円形脱毛症になる子供などもいるそうですよ!
小さなうちからそんな生活では辛いのではないですか?
たまには行楽に出掛けたり、
息抜きをする等、
そんな事をする事はなかったんですか?」
思わず説教じみた事までしてしまった小嶺の言葉であったが、
それに応えた美智代の表情からは、
未だ反省の色をうかがい知る事は出来なかった。



