まずは、花にじゃんけんで勝った緑から話をした。
「私、昨日宗也さんとデートしたの」
「「えぇ?!」」
「一日だけでいいから、デートしてくれって頼んだの。“最後”のデート」
「「・・・」」
緑は、「すごく素敵な一日だった」そう呟いて、涙を一筋流した。
ーーーー・・・
「宗也さん。遅い・・・」
約束した時間から30分も過ぎている。
ドタキャンされた可能性も考えられるが、いつまでも待っているつもりだった。
待っている時間は苦ではなかった。
それよりも、宗也さんがやって来て、今日一日が始まってしまうほうが怖かった。これが“最後”だから。