雨の季節。 葵くんのことを思い出す。 ーー・・・・ 中一のころ、一人で残って日誌を書いていた。 すると、突然雨が降ってきた。 傘を持ってきていなかった私は、靴箱で途方に暮れていると、学年でかっこいいと騒がれている男の子がやってきた。 「ん」 「え?」 そして、彼は私にぶっきらぼうに傘を渡して、雨の中走っていった。