それは遥か昔…
惑星アストラルに相次いで発生した天変地異による飢餓で人類が危機に瀕していた頃。


人々は少しの食料を巡り、争いを起こした。
それにより数多くの民達が死んでいった…


力無き民達は涙を流し、世を怨んだ。
そして、その涙を流す民達の中に一人の盲目の少女がいた…


少女の名はセラ──
セラは来る日も来る日も、毎日天に祈りを捧げた。
『人々から災いが無くなり、平和が訪れるように』と…
セラは盲目だった故に、祈る以外何も出来ない己を呪った。


そんなセラの祈りが届いたのか天は、セラに力を与えたのだ。


力を授かったセラは、その力を使い、雨を降らせ、大地を潤した。


天変地異により、痩せ細った大地に再び恵みを授けたセラは、いつしか人々から“大地の巫女”と呼ばれ、崇められた。



しかし、世界は飢餓の危機から脱したものの、争い事が染み付いた人々から争いは絶えなかった。


そんな世界にセラは心を痛めた…
争う理由が無くなり、平和になると思っていたセラは、静かに涙を流した。


すると、その涙はセラ自身を呑み込み、大きく深い湖となった…


巫女の死は、瞬く間に人々へと伝わった。
大地の巫女の死に誰もが悲しみ、涙した。


巫女が流した涙で出来た湖は、何百年経っても、天変地異が起きても枯渇する事無く、人々を潤し続けた。

~アストラル創生神話~








そして……巫女がこの世を去り、何千年経った頃、世界は再び大きな混乱に包まれていた。


一つの国が他国に侵攻を受け、滅びんとする時、その国の王は、自身の娘である王女を国外へと逃がした…


王女は王の側近の者と共に隣国へと落ち延びた。
落ち延びた王女は、少女から少年と偽り、自国を滅ぼした敵国に復讐を誓った…