『その球体に両手を置いてみてほしい』


私は、その二つの球体に指が合うように両手を置いた。
すると、その球体は僅に光り、私の手に反応しているようだった。


『その球体は、コントロール・クリスタル(CC)といって、操縦桿の役割を担うものだ。
先ずは、機体を歩かせてみよう。
EFは、君達のエーテル…つまり、精神を通して動作を行う。
故に、機体を動かすのは君達がイメージすればいいんだ。
機体を歩かすのは、自分が歩くように歩く事をイメージすれば、機体も歩くんだ。
さ、やってみてくれ』


私は、自分が歩く事をイメージした。
それに呼応するかのように、手の下にある球体──CCが光る。
すると、正面モニターの映像が、前に進んでいくような映像に写し出されていた。


『ブラント少尉、順応が早いな。
流石だ』


ルイに誉められ、嬉しいというより、ホッとした。
初めてだらけの体験に、この先不安を感じたが、何とかなるような気がしてきたのだった。