放課後のことをどうにか弁明したい俺はどうするべきか考えすぎて一歩を踏み出せずにいた。
そう、一歩を踏み出せば会える距離に木南さんがいるのだ。
これは俺のもとに舞い降りた二つ目の幸運。
因みに一つ目は木南さんの生徒会書記立候補で三つ目はさっき逃したばかりのお誘いなんだけれども。
ともあれその二つ目の幸運というやつが、木南さんが俺の住むここ、深月荘で暮らしているということだ。
それは生徒会書記が木南さんに決まったばかりの頃。
生徒会メンバーの親睦会をやった帰りにたまたま俺が木南さんを送っていくことになったのがきっかけで初めて気づいたことだった。
木南さんもその事実を知らなかったらしく、お互いに目を見合わせて笑いあったのだ。
ああ、あの時は本当に楽しかった。木南さんの滅多に見られない笑顔というのも可愛くて貴重だったし、初めてまともな会話をした気がする。
なのに俺は、ここまでの幸運を全て薙ぎ払って未だに木南さんとは友達にすらなれていない。

